こんにちは。
ブログを始めてからこれまで、過去を振り返りながら色々と綴ってきました。
興味のない人も多いかなと思いつつ、今の私は過去の私の歩みによるものでもあるので記録に残しておきました。
もし読んでくれた誰かお一人でも、ここに綴った何かが参考になったり、がんばろうと思えたり、楽しんでもらえたなら嬉しいです。
段々と振り返りも終盤に近づいてきました。
前回はアルコールインクアートを通して、再びアートの世界に導かれたこと、そしてアクリル画を始めたことを綴りました。
今日は私が今メインで描いている、”紡ぐアート”について書きたいと思います。
アクリル画で花や空、山など主に自然を描いている日々の中で、私はある記事を見ました。
アートに関する記事ではなかったのですが、突如私の目に入りました。
その記事は、金継ぎについてのものでした。
金継ぎは陶磁器の割れや欠け、ヒビなどを、漆と金などの金属粉を用いて繕い直す修復技法です。ご存じの方も多いと思います。
私も金継ぎした器を何かの媒体を通して見たことがあり、存在は知っていました。
しかし知っているというだけで、その先に進んだことはありませんでした。
記事には金継ぎについて詳しく記載されていて、金継ぎされた器の写真などが載っていました。
私はこの記事を読みながら、修復する対象は器ですが、まるで人の心や人生を紡ぐみたいだなと思いました。
金継ぎの始まりは今から遥か昔の室町時代、お茶の世界で始まったとされています。
先代から受け継がれてきた、モノを大切にする心と日本の美。
古くから伝わる良きものはたくさんあるため、こんな昔から…というのは違和感がありますが、昔の人々が見出した美に、この時私はつよく胸を打たれました。
もちろんこの記事を読んだ時に、これをキャンバスに表現しようとすぐさま思いたったわけではありません。
ただただ感銘を受け、この時はおそらく記事を保存することもなく終わりました。
しかしその後、来る日も来る日も金継ぎのことが頭から離れませんでした。それほどに感動を受けていたのです。
金継ぎの記事を読んだ時、私は自他へのシンクロがありました。
人は誰しも生きていく中で様々なことを経験し、心に傷や痛みをもちます。そしてその心を繕いながら、紡ぎながら生きています。
傷や痛み、傷痕はその人の一部であり、決して醜いものではありません。
見てみぬふりをしたり、終わりのない暗いところにいる心を、ゆっくりやさしく照らしていく。
なかったことにするのではなく、時間をかけて、受けとめて生きていくことで癒され、救われる心があるのだと思います。
こわれた器を丁寧に金継ぎ・修復するように、自身の心や人生に向き合い、大切にケアをする。まるごとの自分を見つめ、愛し、広がる世界がある。
私が普段思っていたことが、金継ぎの深みと重なりました。
そして金継ぎのように修復・再生することの希望だったり、そこから見える新しい景色だったり、自分を愛し大切にすることの大切さだったり…そうしたことを、私なりに世の中に伝えたいと思いました。
画家に転身していた私は、しばらくしてそれらのことをキャンバス上で表現し伝えたいという発想へととても自然に繋がっていきました。
何かを描くだけでは物足りなかったのかもしれません。
伝えたいものがある
その内なる望みが、金継ぎとの出逢いによって開かれていきました。
そして金継ぎの在り方や美しさを原点として、キャンバスに様々に表現するようになりました。
金継ぎ×アート、紡ぐアートが誕生しました。
試行錯誤の日々、使う画材は特に意識しました。
普段金継ぎの仕上げに用いられるものは、金粉や銀粉、色漆が一般的です。
しかし特に金粉は、簡単に手の出せる金額ではありません。うむ。
金粉の代用ともされる真鍮粉もありますが、受け継がれてきた尊いものを継承・表現するにあたり、純金を使うということが自分の中で納得がいき、作品には純金の箔や糸を用いることにしました。
ここに迷いはほとんどありませんでした。
何でもそうですね。自分の中で納得がいくかどうかです。
多少コストがかかっても、自分の描きたいものを表現することの方が、おそらくほとんどのアーティストにとって重要なことです。
器を金継ぎする際に箔を使うことはありませんが、金の質を重視して純金箔を用いることに決めました。
純金は心を癒したり、幸運を引き寄せるお守りとして古来より愛されてきました。
また、宇宙エネルギー・太陽エネルギーの伝導とされ、パワフルなエネルギーを放つとされていたり、心理的・精神的な負担から解放する純化・浄化作用などのヒーリング効果があると言われています。
純金の洗練された美しさ、そして放たれるエネルギーは、空間だけでなく心にもプラスに働きかけてくれると信じています。
いつか純金についても詳しく綴りたいなと思います。
今回は初めて、今描いているアートについて触れました。
紡ぎ、癒され、私に還る。
新しい景色に出逢う。
そんなアートをこれからも届けていきたいですし、紡ぐアートに限らず、自分の感性の赴くままに表現していけるアーティストになりたいと思っています。
次回はいよいよ・・・・・・
私がHSPを知るの回です。(拍手)
本当に長かったですね。がんばりました。
今日も読んでくれてありがとうございました。