こんにちは。
前回は、数か月の治癒・回復期間を経て、アルコールインクアートに出逢い復活したこと、そしてその後寝込む事態となったところまでを綴りました。続きを記録に残します。
体調を崩した時、悲しいかな私には原因がはっきりしていました。
ここに書くかは迷いましたが、HSPのことも含めて、このブログは一個人の体験をリアルに綴っています。皆さんに、繊細さんに、アーティストに、すべて当てはまることではないことを改めてお伝えします。
私個人の記録として、引き続きここに残したいと思います。
アルコールインクアートを始めて数か月で寝込むこととなった原因。それは簡潔に言えば、使う画材が私の環境、そして心身に合いませんでした。
あの美しいアルコールインクアートは、ご存じの方も多いと思いますが、ちょっとヘビーな画材によって生まれています。
アートの名にもついている”アルコール”、これはより害の少ないものもありますが、アートを突き詰めていくときにスルーし難い有害なものもあります。
アーティストがガスマスクをつけて制作している光景をSNSなどで見かけたことがある人も多いと思います。あと、インクやレジンなんかもそうですね。対策が必要です。
私はアトリエはもちろん広いスペースはなく、自分の部屋(=寝室)で換気をしながら毎日毎日描いていました。
制作過程でドライヤーを常時使うため、換気で窓を開けっぱなしにしているとご近所に聞こえるかも…という不安が常にありました。気になって窓を閉めたり、少しの隙間だけを開けて換気する状態が続きました。
心で半ば念じながら、大丈夫大丈夫…と続けていました。そしてしばらくして頭痛が始まり、制作できずに横になることが増えました。
頭ガンガンです
(※一個人の体験による記録ですのでご理解ください)
それでも、アルコールインクアートに運命的なものを感じていたので諦めないぞ諦めてたまるかと思っていたのですが…
この頃の私には、一つの譲れない考えがありました。それは、
心身に良くない影響がある(あるかもしれない)ことはできない。
年齢的にも気をつけたい時でしたし、30代前後からこの考えは自然と身について基本になっていました。食べ物なんかもそうです。
人一倍五感に敏感なHSPの気質も大いに関係していると思われますし、これまでの教訓から自分を大切にするためにこの考えは当たり前になっていました。
どうしても、自分の人生に取り入れられないものがあるのです。ほとんどはそれを感覚的に選んだり、調べて判断しているわけなのですが、時にはこのように人体実験のようになります。
自分の責任だと前回綴ったのには訳があり、私はアルコールインクアートに出逢った時、細かに調べて画材に有害なものがあることを知っていました。
しかし、運命的どきゅんが基準値を大きく超え「何とかなる、まずはやってみよう」となったのでした。自己責任です。
仕方ありません。どきゅんには敵いません。心のエネルギーはすごいのです。
もちろん解決策はたくさん考えましたが、どれも私の中で現実的ではありませんでした。心身に良くない影響がある(あるかもしれない)ことはできない。
これがもう、どんな解決策も消していきました。
これは、続けられない。きっと何かが解決したところで、私は楽しく取り組めない。
それが、はっきりと分かったのです。
そのことを受け入れ、横になりながら涙ほろりほろり。。。。。それ以降アルコールインクアートを描くことを辞めました。
悲劇だと思いました。本当に悔しかったです。
その後は再び傷心の中で、毎日悲しい悔しいと心が空っぽでした。またゼロ地点に戻り、しかも具合が悪い。絶望的でした。
が
人間ってすごいのです。
ある日、無性に粘土をこねたくなりました。笑
こねこねこね…かわいい生き物たちをつくりました。満足しました。
そしてしばらくしてから、無性に絵の具が恋しくなりました。
キャンバスに無心で筆を走らせました。
いや、無心の境地ではあったのですが、とにかくものすごくものすごく楽しかったのです。
何でしょう、魂が喜んでいました。
ここでアクリル画を本格的に始めることとなります。
きました。アクリル絵の具さん、こんにちはです。不思議な流れでした。
この無性に…というのは、本能的に?なのかなぁと思うのですが、熱烈な気持ちだったことを覚えています。
人間は何度でも熱くなれる、出会える、立ち上がれる。
アルコールインクアートは、私を再びアートの世界に導いてくれたのだと思っています。
今でもよくアルコールインクアートを見ては、美しいなぁ~と癒されますし、当時SNSなどで見ていたアーティストさんたちを、今でも見て応援したりパワーをもらったりしています。
その後はアクリル画で花や空、山など自然を描く日々が始まりました。
そして今私がメインで描いているのが”紡ぐアート”。伝統文化である金継ぎの魅力をキャンバスに表現しています。
ここに至った過程、紡ぐアートについてを次回綴りたいと思います。
振り返りがやっとここまで来ました。
でもこの時もまだ、私はHSPを知りません。
おつかれさまでございます。
今日も読んでくれてありがとうございました。